概要
タッチケアとは「ふれる」ケア法の総称です。やさしく「ふれる」ことでもたらされる皮膚への心地よく穏やかな作用はストレスや不安を緩和し、相乗的に心身の健康の増幅を促す効果が見られます。また、ふれる手が届ける体感覚は“今・ここに在る”という「気づき」を深め、こうした体験の積み重ねは自尊感情や他者への慈しみを育むことにもつながります。
タッチが「ケア」として機能するには、五感にやさしい安全・安心な環境とコミュニケーション(言語的+非言語的)が基盤となり、さらにタッチという現象そのものが「ふれる者とふれられる者は“今・ここ”で共に存在する(同時性)」「ふれることは、すなわち、ふれられることである(相互性)」という属性を有すことから、治療としてのDoing ではなく、ただ共に寄り添うBeingという観点に、対人援助としてのタッチケアの未来を見ることができます。
米国の医療機関では、安全・安心な「ふれるケア」の在り方として、やさしく穏やかで、微細なエネルギーレベルにふれるタッチが注目され、実際にがんや心臓病等重篤な方にも実践されています。そこには肉体を、エネルギーや「気」としてとらえる東洋的な身体観が影響していますが、同時にこうした関わりでは、施術者自身が深い呼吸とともに、内側にやわらかな「気」のめぐりを感じ、自らが「心地よい状態」であることが大切な実践の1つであり、施術者による自らのケアと気づきが、タッチケアの施術の質に影響します。そのため、このクラスでは施術者自身のセルフケアも大切にしたいと思います。
持ち物
・バスタオル、フェイスタオル 各1枚 ・筆記用具 ・昼食(1時間休憩、近くに飲食店あります)
授業料:
会員8,000円 非会員10,000円
講師:中川玲子先生 Reiko Nakagawa
特定非営利活動法人タッチケア支援センター理事長。
塾・予備校「日本史」講師として勤務する中、阪神淡路大震災で被災し現地ボランティアとして奔走。1998年よりボディワーク・ボディサイコセラピーを学び始め、2000年エサレン®ボディワーク認定プラクティショナーの資格を得て開業。日々の施術の積み重ねからタッチの癒しの可能性を確信し、2011年NPO法人タッチケア支援センターを設立。「やさしくふれると世界は変わる」をテーマに、タッチケアの普及・教育・研究・ボランティア活動等を行う。
ソマティクス(身体感覚の気づき)を重視した、安全で心地よく、対人援助に役立つ「こころにやさしいタッチケア講座」を指導すると同時に、エサレンやローゼン・メソッド、米国ホスピタルベイスドタッチセラピーの指導教官を招いての講座も主宰する。関西学院大学文学部業。<身>の医療研究会理事。